皆さんは遺言書の付言事項をご存じですか?
付言事項とは、財産の分け方等の法的効力を与えることを目的としない記載事項のことです。家族へのメッセージや遺言者の思いを書き残すことをいいます。法的な効力はありませんが、個人の意思ということで、相続のトラブル防止に役立つケースは少なくありません。遺言書作成の際には、専門家のサポートを受けて付言事項を記載するようにしましょう。
付言事項に書かれる内容で最も多いのが、家族への感謝の言葉です。次に、財産の分け方の理由です。どうしてこのような分け方になったのか、相続人の方々に説明し理解を求める内容のものが多いです。
遺言者としては、当然、自分の残した財産によって家族がいがみ合うなどということは望んでいません。相続を争続にしないでほしいといった気持ちを込められているように思います。
最後に遺留分に関することです。「付言事項に遺留分の請求をしないでほしい」と書いてあっても、遺留分は法律上の権利のため相続人がそれに拘束されることはありません。しかし、遺言者の気持ちが伝われば、遺留分の請求をしないかもしれませんので、付言事項に書いておく意味はあります。
付言事項の書き方に決まりはありませんので、遺言者の思いを自由に書いてください。
付言事項には、先述のとおり、家族への感謝の気持ちや財産の分け方の理由を書くことが多いと思います。ここで注意してもらいたいのは、一部の親族を否定するような内容は避けるということです。もとより、付言事項は、相続トラブルを防ぐ目的で書くものですから、親族に対する不満や文句を伝えるものではありません。誰かを非難するような内容を書いたばっかりに、無用のトラブルを起こしてしまっては本末転倒ですよね。
遺言書は、争いのない円満な相続にするために作成するものです。そして、付言事項はその遺言者の家族へ向けての最後のメッセージとなります。遺言者亡き後、残された家族が円満に幸せに暮らしていけるように思いを込めて、最後のメッセージを残しておきましょう。
遺言書作成のことなら、当事務所までご相談ください。トラブルを未然に防ぐ相続手続きができるように遺言書の作成サポートをいたします。